医療事務の資格と種類

医療事務の資格は、主なものだけでも10種類以上、その他の関連したものを含めれば何十もの種類が存在します。それらを総称して医療事務と呼んでいるのです。ここでは、それらの資格を分類して、どのような種類の資格があるかを解説しましょう。

なぜ医療事務の資格の種類は多いのか?

そもそも、なぜ医療事務の資格はこれほど数が多いのでしょうか。理由は、医療事務には国家資格が存在しないためだと考えられます。
厚生労働大臣が発行する看護師のような、公的な資格は医療事務には存在しません。一方で専門スキルが必要なことは確かなので、民間の団体が多くの医療事務関連の資格を設けているというわけです。
そのため、これらの関連資格は医療事務の仕事に絶対に必要なものというわけではなく、基本的に特定のスキルや知識が基準に達しているかどうかをテストする「検定」だと捉えるべきでしょう。

主な医療事務関係の資格の種類

では医療事務関係の資格にはどのようなものがあるのでしょうか。その資格の種類を、大きく次のように分類してみました。

医療事務全般

いわゆるレセプト業務、正式には「診療報酬請求事務」をメインとして、受付業務や院内コミュニケーションなど、医療事務全般の能力を審査する資格です。
医療事務に関して、一般的な技能や知識を身につけたいときに役に立つでしょう。通常の医科の他、歯科に特化した医療事務の資格もあります。

医療秘書

医療秘書とは、総合病院など大きな病院で、院長や医師のスケジュール管理、文書管理、会議の準備、外部からのアポイントメント受付などを行う仕事です。
そのため医療秘書の資格では、医療事務の内容に加えて電話応対やマナースキルなどを含む、秘書業務に関する知識・技能も問われることになります。

診療報酬請求事務

レセプト業務に特化した資格です。医師が書いたカルテをもとに保険料を計算して診療報酬明細書(レセプト)を作成し、保険者に対し診療報酬請求をおこなうための能力が問われます。
代表的な資格に「診療報酬請求事務能力認定試験」があり、これは国家資格ではありませんが、公益財団法人として内閣府より認定されている、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する資格です。
合格率は30%前後、医科と歯科の区分があります。それ以外の診療報酬請求事務資格には、在宅受験ができるものもあります。

調剤薬局事務

調剤薬局事務は、病院や診療所ではなく、薬局に勤務して「調剤報酬」をメインとした事務作業と会計をおこなう仕事です。
調剤報酬では処方箋をもとに保険請求額を計算しますが、これは医療事務でおこなう診療報酬と比べればそれほど複雑なものではありません。
薬局で調剤事務の仕事を目指す場合には、この調剤薬局事務の資格をピンポイントで狙って取得するといいでしょう。

医事コンピューター

医事コンピューターは、レセプトコンピューターとも呼ばれます。
診療報酬の請求といえば昔は手動で計算していましたが、現在ではパソコンのレセプト専用ソフトに入力し、印刷して提出する方法が主流になっています。
また、レセプト請求のオンライン化も推進されています。
このレセプト業務に使用するソフトに関する知識、操作技能を問うのが医事コンピューター関連資格です。

医師事務作業補助(ドクターズクラーク)

医師がおこなう事務作業には、診療録や医療文書の作成などがあります。そうした事務作業の補助を行う業務に関する資格です。
メディカルクラーク、メディカルアシスタント(MA)と呼ばれる仕事も類似した仕事といえます。
上に出てきた医療秘書とも似ていますが、医師事務作業補助の資格ではレセプト業務は含まれず、医療文書作成などに特化した試験がおこなわれます。

介護事務

介護事務においても、「介護報酬」のレセプト作成・請求業務が発生します。そのレセプト作成スキル、介護保険に関する知識を検定するのが介護事務の資格です。 介護事務所、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターなどに勤務して介護事務員として働きたい人向けの資格です。

医療事務や医療事務に関連した資格取得を考える際は、どれが自分にとって価値がある資格なのか、慎重に吟味することが大切です。資格の内容や評価について、じっくりと比較検討してみてください。

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